いつも食べているミキサー粥に加え、娘さんにもお願いして事前に準備してもらった、軟飯、とろろ芋、メカブ、ネギトロ、百均の専用調理器具でつくってもらった温泉卵、柔らかく煮たうどん。
もともと船乗りさんなのでお酒のみで、お刺身や海藻がお好きだそうです。
うどんはすこし厳しかったけど、軟飯は咀嚼・食塊形成は十分できていました。
咽頭残留の程度はミキサー粥と変わらず、誤嚥はなく、2、3口摂取後の交互嚥下で残留除去可。ミキサー粥にしておく理由はありません。
今回病院の主治医より直接依頼をいただき退院後二週間での介入でした。
初回評価では上顎義歯は不適合で口腔衛生状態不良。構音障害はでているものの、舌筋力は比較的維持されており、粗大運動は可。
家族への口腔衛生指導、義歯調整後の内視鏡下嚥下機能検査。
ケアマネからは最近易怒性と拒否がますます強く、十分な介入ができず、困っていると報告をうけておりましたが、今日は、初めて何回か笑顔もみせてくれました。
ご本人がこれまでどうやって生きてこられたか、本人と家族は本当はなにで困っていて、何を望んでいるか、を把握して、それに答えていければ、とてもつらい病気でも少し幸せになれるお手伝いをできるかもしれません。
そしてやはり、歯医者だからってのもあるかもしれませんが、口腔機能評価と必要な歯科的介入、補綴(失われた歯の機能を回復すること)の重要性を再確認しました。
林、竹山
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